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旅客運送の部
第1章 総則

(適用範囲)

  • 第1条この運送約款は、当社が経営する航路で行う旅客及び手回り品の運送に適用されます。
  • この運送約款に定めのない事項については、法令の規定又は一般の慣習によります。
  • 当社がこの運送約款の趣旨及び法令の規定に反しない範囲内で特約の申込みに応じたときは、その特約によります。

(定義)

  • 第2条この運送約款で「旅客」とは、徒歩客をいいます。
  • この運送約款で「大人」とは、12歳以上の者(小学生(小学校(学校教育法(昭和 22 年法律第26号)第1条の小学校、義務教育学校の前期課程及び特別支援学校の小学部並びに同法第134条第1項の各種学校の小学部に類するものをいう。以下同じ。)に就学する児童をいう。以下同じ。)を除く。)をいいます。
  • この運送約款で「小児」とは、12歳未満の者及び12歳以上の小学生をいいます。
  • この運送約款で「手回り品」とは、旅客が自ら携帯又は同伴して船室に持ち込む物であって、次の各号のいずれかに該当するものをいいます。
    1. 3辺の長さの和が2メートル以下で、かつ、重量が30キログラム以下の物品、なお、ジェットフォイルについては重量の和が30キログラム以下の物品
    2. 長さ2メートル10センチメートル以下のサーフボード
    3. 車いす(旅客が使用するものに限る。)
    4. 身体障害者補助犬(身体障害者補助犬法(平成 14 年法律第49号)第2条に規定する盲導犬、介助犬及び聴導犬であって、同法第12条の規定による表示をしているものをいう。)
  • この運送約款で「営業所」とは、当社の事務所及び当社が指定する者の事務所をいいます。
第2章 運送の引受け

(運送の引受け)

  • 第3条当社は、使用船舶の輸送力の範囲内において、運送の申込みの順序により、旅客及び手回り品の運送契約の申込みに応じます。
  • 当社は、前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する場合は、運送契約の申込みを拒絶し、又は既に締結した運送契約を解除することがあります。
    1. 当社が第5条の規定による措置をとった場合
    2. 旅客が次のいずれかに該当する者である場合
      1. 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年 法律第114号)による一類感染症、二類感染症、新型インフルエンザ等感染症若しくは指定感染症(入院を必要とするものに限る。)の患者(擬似症患者及び無症状病原体保有者を含む。)又は新感染症の所見がある者
      2. 泥酔者、薬品中毒者その他他の乗船者の迷惑となるおそれのある者
      3. 重傷病者又は小学校に就学していない小児で、付添人のない者
      4. 年齢、健康上その他の理由によって生命が危機にさらされ、又は健康が著しく損なわれるおそれのある者
    3. 旅客が法令若しくはこの運送約款の規定に違反する行為を行い、又は行うおそれがある場合
    4. 運送契約の申込みがこの運送約款と異なる運送条件によるものである場合
    5. 当該運送に関し、申込者から特別な負担を求められた場合

(手回り品の持込み等)

  • 第4条旅客は、手回り品(第2条第4項第3号及び第4号に掲げるものを除く。以下この項において同じ。)を2個に限り、船室に持ち込むことができます。ただし、手回り品の大きさ、乗船する船舶の輸送力等を勘案し、当社が支障がないと認めたときは、2個を超えて持ち込むことができます。
  • 当社は、前項の規定にかかわらず、手回り品が次の各号のいずれかに該当する物であるときは、その持込みを拒絶することがあります。
    1. 臭気を発するもの、不潔なもの、その他乗船者に迷惑を及ぼすおそれのあるもの。
    2. 鉄砲、刀剣その他使用することにより、乗船者、他の物品又は使用船舶に危害を及ぼすおそれのあるもの
    3. 爆発物その他乗船者、他の物品又は使用船舶に危害を及ぼすおそれのあるもの
    4. 遺体
    5. 生動物(第2条第4項第4号に掲げるものを除く。)
    6. その他運送に不適当と認められるもの
  • 当社は、前項の規定にかかわらず、手回り品が次の各号のいずれかに該当する物であるときは、その持込みを拒絶することがあります。

(運航の中止等)

  • 第5条当社は、法令の規定によるほか、次の各号のいずれかに該当する場合は、予定した船便の発航の中止又は使用船舶、発着日時、航行経路若しくは発着港の変更の措置をとることがあります。
    1. 気象又は海象が船舶の航行に危険を及ぼすおそれがある場合
    2. 天災、火災、海難、使用船舶の故障その他のやむを得ない事由が発生した場合
    3. 災害時における円滑な避難、緊急輸送その他これらに類する旅客又は貨物の輸送を行う場合
    4. 船員その他運送に携わる者の同盟罷業その他の争議行為が発生した場合
    5. 乗船者の疾病が発生した場合など生命が危険にさらされ、又は健康が著しく損なわれるおそれがある場合
    6. 使用船舶の奪取、又は破壊等の不法行為が発生した場合
    7. 旅客が第18条第1項各号に掲げる行為をし、又はしようとしていると信ずるに足りる相当な理由がある場合
    8. 官公署の命令又は要求があった場合
第3章 運賃及び料金

(運賃及び料金の額等)

  • 第6条旅客及び手回り品の運賃及び料金(以下「運賃及び料金」という。)の額並びにその適用方法については、第3項から第5項までに定めるところによるほか、別に地方運輸局長に届け出たところによります。
  • 運賃及び料金には、旅客の食事代金は含まれていません。
  • 次の各号いずれかに該当する小児の運賃及び料金は、無料とします。 ただし、指定制の座席又は寝台を1人で使用する場合の運賃及び料金については、この限りではありません。
    1. 1歳未満の小児
    2. 大人に同伴されて乗船する1歳以上の小学校に就学していない小児(団体として乗船する者及び大人1人につき1人を超えて同伴されて乗船する者を除く。)
  • 3辺の長さの和が1メートル20センチメートル以下で、かつ、重量の和が20キログラム以下の手回り品の料金は、無料とします。 但し、サーフボードを除く。
  • 第2条第4項第3号及び第4号に掲げる手回り品の料金は、無料とします。

(運賃及び料金の収受)

  • 第7条当社は、営業所において所定の運賃及び料金を収受し、これと引き換えに乗船券を発行します。
  • 当社は、旅客が船長又は当社の係員(以下「船員等」という。)の承諾を得て運賃及び料金を支払わずに乗船した場合は、船内において乗船区間、等級及び船室に対応する運賃及び料金を申し受け、これと引き換えに補充乗船券を発行します。

(乗船券の効力)

  • 第8条乗船券は、券面記載の乗船区間、通用期間、指定便(乗船年月日及び便名又は発航時刻が指定されている船便をいう。以下同じ。)、等級及び船室に限り、使用することができます。
  • 旅客がその都合により乗船券の券面記載の乗船区間内で途中下船した場合には、当該乗船券の前途は、無効とします。 ただし、乗り換えその他この運送約款において特に定める場合は、この限りではありません。

(運賃及び料金の変更の場合の取扱い)

  • 第9条運賃及び料金が変更された場合において、その変更前に当社が発行した乗船券は、その通用期間内に限り、有効とします。

(乗船券の通用期間)

  • 第10条当社の乗船券の通用期間は、発行日から券面記載の乗船年月日までとします。但し、旅客の乗船後に乗船券の通用期間が経過した場合には、そのまま継続して乗船する間に限り、当該乗船券の通用期間はその間延長されたものとします。
  • 疾病その他旅客の一身に関する不可抗力又は当社が第5条の規定による措置をとったことにより、旅客が、乗船することを延期し、又は継続して乗船することができなくなった場合は、当社は、乗船券の未使用区間について、7日間を限度として、その通用期間を延長する取扱いに応じます。

(発航前の乗船変更)

  • 第11条旅客が当該便の発航前に旅客の都合により乗船券面記載の乗船区間、指定便、等級又は船室の変更を申し出た場合には、当社は、変更しようとする船便等の輸送力に余裕がある場合は、当該乗船券の発売営業所その他当社が指定する営業所において、その変更の取り扱いに応じます。
  • 前項の規定により当社が変更の取扱いに応じる場合には、当該変更に係る手数料は、1回目の変更については無料とし、2回目以降は次条に定める変更手数料を申し受けます。なお、変更後の乗船区間、等級及び船室に対応する運賃及び料金の額と既に収受した運賃及び料金の額との間に差額が生じるときは、当社は、不足額があればこれを申し受け、過剰額があればこれを払い戻します。但し早期購入割引がある場合は次条第2項を適用します。

(変更時の払戻及び変更手数料)

  • 第12条前条に定める2回目以降の乗船変更に対する変更手数料は以下のとおりとします。なお、収受運賃が変更手数料より小額であるときは、収受運賃を限度額として申し受けます。早期購入割引がある場合は本条第2項を適用します
    1. 旅客が、未使用の2等乗船券について、当該便の発航前に変更の請求をした場合(第3項1号に該当する場合を除く。)…500円
    2. 旅客が、未使用の2等以外の乗船券について、当該便の発航前に変更の請求をした場合(第3項1号に該当する場合を除く。)
      発航する日の7日前までの請求
      500円
      発航する日の前々日までの請求
      券面記載金額の1割に相当する額 (その額が500円に満たないときは、500円)
      発航時刻までの請求
      券面記載金額の3割に相当する額 (その額が500円に満たないときは、500円)
  • [早期購入割引の場合] 発売後の変更はできません。変更の場合はキャンセルとみなし、発航前の期日、時刻を問わず、その払戻は券面記載金額の3割に相当する変更手数料を申し受けます(その額が500円に満たないときは500円)。なお、収受運賃が変更手数料より小額であるときは、収受運賃を限度額として申し受けます。
  • 当社は旅客の都合以外の事由によって、運送契約の一部の履行ができなくなり、乗船区間の変更を伴う場合には次の各号のとおり取り扱います。
    1. 当社が第5条の規定による措置をとったことによって乗船区間を変更した旅客に払戻しをする場合には、第1項並びに第2項の変更手数料の収受はありません。
    2. 特別急行料金又は急行料金を収受する船便(以下「急行便」)という。)が、当社が定める時間以上遅延して到着した場合は、収受した特別急行料金又は急行料金の額を払い戻します。

(発航後の乗船変更の特例)

  • 第13条旅客が当該便の発航後に乗船船便の変更を申し出た場合には、当社は、当該乗船券の券面記載の乗船日に発航する他の船便の輸送力に余裕がある場合に限り、当該乗船券による2等船室への乗船変更の取扱いに応じます。

(乗越し等)

  • 第14条旅客が乗船後に乗船券の券面記載の乗船区間、等級又は船室の変更を申し出た場合には、当社は、その輸送力に余裕があり、かつ、乗越し又は上位の等級若しくは船室への変更となる場合に限り、その変更の取扱いに応じます。この場合には、当社は、変更後の乗船区間、等級及び船室に対応する運賃及び料金の額と既に収受した運賃及び料金の額との差額を申し受け、これと引き換えに補充乗船券を発行します。

(乗船券の紛失)

  • 第15条旅客が乗船券を紛失したときは、当社は、改めて運賃及び料金を申し受け、これと引き換えに乗船券を発行します。この場合には、当社は、その旨の再発行証明書を発行します。ただし、乗船券を所持して乗船した事実が明白である場合には、この規定を適用しないことがあります。
  • 旅客は紛失した乗船券を発見したときは、再発行証明書の発行日より3ヶ月以内に限り、当該証明書を基に当社に運賃及び料金の払戻しを請求することができます。 有効期間満了の日までに当該紛失乗船券及び再発行証明書の提示がなされれば500円の払戻手数料を申し受けた後、払い戻します。 また、当該乗船券を発見できない場合は再発行証明書の定める有効期間内において、当該乗船券が未使用であり、期間満了の日までに払戻しがなかったことを当社が確認した場合に限り2000円の調査手数料を申し受けた後、払い戻します。なお、収受運賃が調査手数料より小額であるときは、収受運賃を限度額として申し受けます。

(不正乗船等)

  • 第16条旅客が次の各号のいずれかに該当する行為をしたときは、当社は、運賃及び料金のほかにこれらの2倍に相当する額の増運賃及び増料金をあわせて申し受けることがあります。この場合において、乗船港が不明のときは当該船便の始発港をもって乗船港とみなし、乗船した等級が不明のときは当該船舶の最上等級をもって乗船した等級とみなします。
    1. 船員等の承諾を得ないで、乗船券を持たずに乗船すること。
    2. 無効の乗船券で乗船すること。
    3. 記載事項が改変された乗船券で乗船すること。
    4. 当該乗船券を使用することができる者以外の者がこれを使用して乗船すること。
    5. 当社の係員が乗船券の提示を求め、又は運賃及び料金の支払いを請求してもこれに応じないこと。
    6. 不正の申告によって、運賃及び料金の割引を受け、又は運賃及び料金を支払わずに乗船すること。
    7. 乗船券を回収する際にその引渡しを拒否すること。

(キャンセル時の払戻及びキャンセル手数料)

  • 第17条当社は、次に該当する場合は、当該乗船券の発売営業所その他当社が指定する営業所において、それぞれ当該各号に定める額の運賃及び料金を払戻します。なお、早期購入割引がある場合は本条第3項を適用します。
  • 乗船券を旅客の都合によりキャンセルする場合(人数の減員を含む)には、乗船区間の全部についてキャンセルするときは収受運賃及び料金全額を、一部についてキャンセルするときは収受運賃及び料金より既乗船区間運賃及び料金を差し引いた差額を払戻します。(当社が第3条第2項の規定により運送契約を解除した場合も含みます) なお、この場合、次の各号に定める区分に応じ、運賃の種類ごとに以下のとおりキャンセル手数料を申し受けます。収受運賃がキャンセル手数料より小額であるときは、収受運賃を限度額として申し受けます。
    1. 旅客が、未使用の2等乗船券について、当該便の発航前にキャンセルの請求をした場合(第4項1号に該当する場合を除く。)…500円
    2. 旅客が、未使用の2等以外の乗船券について、当該便の発航前にキャンセルの請求をした場合(第4項1号に該当する場合を除く。)
      発航する日の7日前までの請求
      500円
      発航する日の前々日までの請求
      券面記載金額の1割に相当する額 (その額が500円に満たないときは、500円)
      発航時刻までの請求
      券面記載金額の3割に相当する額 (その額が500円に満たないときは、500円)
  • [早期購入割引の場合] 発航前の期日、時刻を問わずキャンセル(人数の減員を含む)による払戻は券面記載金額の3割に相当するキャンセル手数料を申し受けます(その額が500円に満たないときは、500円)。なお、収受運賃がキャンセル手数料より小額であるときは、収受運賃を限度額として申し受けます。
  • 当社は旅客の都合以外の事由によって、運送契約の全部または一部の履行ができなくなった場合には次の各号のとおり取り扱います。
    1. 当社が第5条の規定による措置をとったことによって運送契約を解除した旅客に払戻しをする場合には、第2項並びに第3項のキャンセル手数料の収受はありません。
    2. 特別急行料金又は急行料金を収受する船便(以下「急行便」)という。)が、当社が定める時間以上遅延して到着した場合は、収受した特別急行料金又は急行料金の額を払戻します。
第4章 旅客の義務

(旅客の禁止行為等)

  • 第18条旅客は、次に掲げる行為をしてはいけません。
    1. みだりに船舶の操舵設備その他の運航のための設備又は船舶に係る旅客乗降用可動施設の作動装置を操作すること。
    2. みだりに船舶内の立入りを禁止された場所に立ち入ること。
    3. 船舶内の喫煙を禁止された場所において喫煙すること。
    4. みだりに消火器、非常用警報装置、救命胴衣その他の非常の際に使用すべき装置又は器具を操作し、又は移動すること。
    5. みだりに自動車その他の貨物の積付けのための装置又は器具を操作し、又は移動すること。
    6. みだりにタラップ、遮断機その他乗船者若しくは自動車の乗下船又は転落防止のための設備を操作し、又は移動すること。
    7. みだりに乗船者又は自動車の乗下船の方法を示す標識その他乗船者の安全のために掲げられた標識又は掲示物を損傷し、又は移動すること。
    8. 石、ガラスびん、金属片その他船舶又は船舶上の人若しくは積載物を損傷するおそれのある物件を船舶に向って投げ、又は発射すること。
    9. 海中投棄を禁止された物品を船舶から海中に投棄すること。
    10. 船員等の職務の執行を妨げる行為をすること。
    11. 他の乗船者に不快感を与え、又は迷惑をかけること。
    12. 船内の秩序若しくは風紀を乱し、又は衛生に害のある行為をすること。
    13. 真に止むを得ない場合を除き、翼走航行中にシートベルトを装着しないこと。
  • 旅客は、乗下船その他船内における行動に関し、船員等が輸送の安全確保と船内秩序の維持のために行う職務上の指示に従わなければなりません。
  • 船長は、前項の指示に従わない旅客に対し、乗船を拒否し、又は下船を命じることがあります。

(手回り品の保管)

  • 第19条旅客は、船室に持ち込んだ手回り品を自己の責任において保管しなければなりません。

(旅客名簿への記載)

  • 第20条旅客は、海上運送法(昭和24年法律第187号)第15条(同法第21条の5において準用する場合を含む。)に規定する旅客名簿に、次に掲げる事項を記載しなければなりません。
    1. 氏名
    2. 年齢、生年月日又は大人、子供及び幼児の区分
    3. 性別
    4. 次に掲げる旅客の区分に応じ、それぞれ次に掲げる事項
      1. イに掲げる旅客以外の旅客 住所又は住民票に記載されている市区町村名
      2. 日本国内に住所を有しない外国人である旅客 国籍及び旅券番号
    5. 乗船の日時及び港並びに下船の港
    6. 事故、災害その他の非常の場合における介助等の支援の要否
第5章 賠償責任

(当社の賠償責任)

  • 第21条当社は、旅客が、船員等の指示に従い、乗船港の乗降施設(改札口がある場合にあっては、改札口。以下同じ。)に達した時から下船港の乗降施設を離れた時までの間に、その生命又は身体を害した場合は、運送人が運送に関し注意を怠らなかったことを証明した場合を除き、これにより生じた損害について賠償する責任を負います。
  • 前項の規定にかかわらず、当社は、次の各号のいずれかに該当する場合は、責任を負わないことがあります。
    1. 大規模な災害、震災その他の災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において運送を行う場合
    2. 運送に伴い通常生ずる振動その他の事情により生命又は身体に重大な危険が及ぶおそれがある者の運送を行う場合
  • 当社は、手回り品その他旅客の保管する物品の滅失又は損傷により生じた損害については、当社又はその使用人に故意又は過失があったことが証明された場合に限り、これを賠償する責任を負います。
  • 当社が第5条の規定による措置をとったことにより生じた損害については、第1項又は前項の規定により当社が責任を負う場合を除き、当社は、これを賠償する責任を負いません。

(旅客に対する賠償請求)

  • 第22条旅客が、その故意若しくは過失により、又は法令若しくはこの運送約款を守らなかったことにより当社に損害を与えた場合は、当社は、当該旅客に対し、その損害の賠償を求めることがあります。
 
受託手荷物の部
第1章 総則

(適用範囲)

  • 第1条この運送約款は、当社が経営する航路で行う受託手荷物に適用されます。
  • この運送約款に定めのない事項については、法令の規定又は一般の慣習によります。
  • 当社がこの運送約款の趣旨及び法令の規定に反しない範囲内で特約の申込みに応じたときは、その特約によります。

(定義)

  • 第2条この運送約款で「受託手荷物」とは、旅客がその乗船区間について運送を委託する物であって、次の各号のいずれかに該当するものをいいます。
    1. 3辺の長さの和が2メートル以下で、かつ、重量が30キログラム以下の物品
    2. 車いす(旅客が使用するものに限る。)
  • この運送約款で「運送申込人」とは、受託手荷物の運送を委託する旅客をいいます。
  • この運送約款で「営業所」とは、当社の事務所及び当社が指定する者の事務所をいいます。
第2章 運送の引受け

(運送の引受け)

  • 第3条当社は、使用船舶の輸送力の範囲内において、運送の申込みの順序により、乗船券の提示を求めたうえ、1乗船当たり受託手荷物(前条第1項第2号に掲げるものを除く。)を2個に限り、その運送契約の申込みに応じます。ただし、使用船舶の輸送力等を勘案し、当社が支障がないと認めたときは、2個を超える申込みに応じます。
  • 当社は、前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する場合は、運送契約の申込みを拒絶し、又は既に締結した運送契約を解除することがあります。
    1. 当社が第6条の規定による措置をとった場合
    2. 受託手荷物が次のいずれかに該当する物である場合
      1. 荷造り又は荷札の不完全なもの、破損しやすいもの、臭気を発するもの、不潔なものその他乗船者に迷惑を及ぼすおそれのあるもの
      2. 白金、金その他の貴金属、貨幣、銀行券、有価証券、印紙類、宝石類、美術品、骨とう品その他の高価品
      3. 銃砲、刀剣その他使用することにより、乗船者、他の物品又は使用船舶に危害を及ぼすおそれのあるもの
      4. 爆発物その他乗船者、他の物品又は使用船舶に危害を及ぼすおそれのあるもの
      5. 遺体
      6. 生動物
      7. その他運送に不適当と認められるもの
    3. 運送申込人が法令若しくはこの運送約款の規定に違反する行為を行い、又は行うおそれがある場合
    4. 運送契約の申込みがこの運送約款と異なる運送条件によるものである場合
    5. 当該運送に関し、運送申込人から特別な負担を求められた場合

(内容の申告等)

  • 第4条運送申込人は、受託手荷物が前条第2項第2号のいずれかに該当する物であるときは、あらかじめその旨(同号ア、ウ又はエに該当する物(以下「危険品等」という。)であるときは、その旨及び当該危険品等の品名、性質その他の当該危険品等の安全な運送に必要な情報)を当社に申告しなければなりません。
  • 当社は、前条第2項第2号のいずれかに該当する受託手荷物の運送の申込みに応じる場合には、運送申込人に対し、その負担において当該受託手荷物につき、損害保険の付保その他の必要な措置をとることを求めることがあります。
  • 当社は、受託手荷物が前条第2項第2号のいずれかに該当する物である疑いがあるときは、運送申込人又は第三者の立会いのもとに、当該受託手荷物の内容を点検することがあります。
  • 当社は、前条第2項第2号イに該当する受託手荷物(次項において「高価品」という。)の運送に関しては、運送申込人が運送の申込みに際し当該受託手荷物の種類及び価格を明示した場合を除き、その滅失、損傷又は延着による損害については、これを賠償する責任を負いません。
  • 前項の規定は、次に掲げる場合については適用しません。
    1. 運送契約の締結の当時、高価品であることを当社が知っていた場合
    2. 当社又はその使用人の故意又は重大な過失によって高価品の滅失、損傷又は延着が生じた場合

(返送、途中陸揚げ等)

  • 第5条当社は、次に掲げるものを除き、受託手荷物の返送、転送、途中陸揚げその他の依頼には応じません。ただし、当社が取扱い上支障がないと認めた場合は、この限りではありません。
    1. 運送申込人が乗船を取り止め、又は途中下船した場合の受託手荷物の返送又は途中陸揚げ
    2. 運送申込人が乗越しをした場合の受託手荷物の乗越港への追送
  • 前項の規定により当社が運送申込人の依頼に応じる場合に必要となる運賃その他の費用は、運送申込人の負担とします。
  • 受託手荷物を途中陸揚げした場合には、当該受託手荷物の運送は、終了したものとみなします。

(運航の中止等)

  • 第6条当社、法令の規定によるほか、次の各号のいずれかに該当する場合は、予定した船便の発航の中止又は使用船舶、発着日時、航行経路若しくは発着港の変更の措置をとることがあります。
    1. 気象又は海象が船舶の航行に危険を及ぼすおそれがある場合
    2. 天災、火災、海難、使用船舶の故障その他のやむを得ない事由が発生した場合
    3. 災害時における円滑な避難、緊急輸送その他これらに類する旅客又は貨物の輸送を行う場合
    4. 船員その他運送に携わる者の同盟罷業その他の争議行為が発生した場合
    5. 乗船者の疾病が発生した場合など生命が危険にさらされ、又は健康が著しく損なわれるおそれがある場合
    6. 使用船舶の奪取又は破壊等の不法行為が発生した場合
    7. 旅客が旅客運送の部第18条第1項各号に掲げる行為をし、又はしようとしていると信ずるに足りる相当な理由がある場合
    8. 官公署の命令又は要求があった場合
第3章 運賃

(運賃の額等)

  • 第7条受託手荷物の運賃(以下「運賃」という。)の額及びその適用方法については、第4項に定めるところによるほか、別に地方運輸局長(運輸監理部長を含む。)に届け出たところによります。
  • 運賃には、受託手荷物の積卸し料が含まれています。
  • 運賃には、受託手荷物の集荷配達料は含まれていません。
  • 第2条第1項第2号に掲げる受託手荷物の運賃は、無料とします。

(運賃の収受)

  • 第8条当社は、積込港の営業所において所定の運賃を収受し、これと引き換えに受託手荷物券を発行します。

(運賃の変更の場合の取扱い)

  • 第9条運賃が変更された場合において、その変更前に当社が発行した受託手荷券は、有効とします。

(払戻し及び払戻し手数料)

  • 第10条当社は、次の各号のいずれかに該当する場合は、当該受託手荷物券の発売営業所その他当社が指定する営業所において、それぞれ当該各号に定める額の運賃を払い戻します。
    1. 運送申込人が、受託手荷物券について、当該受託手荷物を運送する船便の発航前に払戻しの請求をした場合(次号に該当する場合を除く。)券面記載金額
    2. 当社が第6条の規定による措置をとった場合において、運送申込人が運送契約を解除し、払戻しの請求をしたとき。 券面記載金額と既使用区間に対応する運賃の額との差額
    3. 当社が第3条第2項の規定により運送契約を解除した場合 券面記載金額と既使用区間に対応する運賃の額との差額
  • 当社は、前項の規定により運賃の払戻しをするときは、100円の範囲内において当社が定める額の手数料を申し受けます。ただし、同項第2号及び第3号(第3条第2項第1号に係る場合に限る。)に係る払戻しについては、手数料を申し受けません。
第4章 受取り、引渡し等

(受取り、引渡し等)

  • 第11条当社は、積込港の営業所において運送申込人から受託手荷物を受け取り、陸揚港の営業所においてこれを引き渡すまでの間保管する責任を負います。
  • 当社は、陸揚港の営業所において、受託手荷物については受託手荷物券と引き換えにその持参人に、これを引き渡します。
  • 運送申込人が受託手荷物券を紛失した場合には、当社が当該受託手荷物の引渡請求人を正当な受取人であると認め、かつ、当該受託手荷物をその者に引き渡した結果当社が受けるおそれがある一切の損失を補償する旨の保証を当該引渡請求人から得た場合に限り、別に定める手続によりこれを当該引渡請求人に引き渡します。
  • 当社が受託手荷物券の持参人に引き渡した受託手荷物に関しては、その者が正当な受取人であるか否かにかかわらず、当該引渡しの結果生じた損害については、当社は、これを賠償する責任を負いません。
第5章 賠償責任

(当社の賠償責任)

  • 第12条当社は、受託手荷物の滅失、損傷又は延着による損害については、第4条第4項において当社が免責される場合を除き、その損害の原因となった事故が、当該受託手荷物が当社の管理下にある間に生じたものである場合に限り、これを賠償する責任を負います。
  • 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する場合は、適用しません。
    1. 当社が、使用船舶に構造上の欠陥及び機能の障害がなかったこと並びに当社及びその使用人が当該損害を防止するために必要な措置をとったこと又は不可抗力などの理由によりその措置をとることができなかったことを証明した場合
    2. 当社が、運送申込人若しくは第三者の故意又は過失により、又は運送申込人が法令若しくはこの運送約款を守らなかったことにより当該損害が生じたことを証明した場合
  • 当社が第6条の規定による措置をとったことにより生じた損害については、第1項の規定により当社が責任を負う場合を除き、当社は、これを賠償する責任を負いません。

(運送申込人の損害賠償請求権)

  • 第13条運送申込人が留保をなさずに引渡しを受けた受託手荷物については、当該受託手荷物に関して生じた損害についての当社に対する賠償請求権を放棄したものとみなします。ただし、直ちに発見することができない損傷又は一部滅失がある場合であって、その引渡しの日より14日以内に当社に対しその事実を文書により通知したときは、この限りではありません。

(運送申込人に対する賠償請求)

  • 第14条運送申込人が、その故意若しくは過失により、又は法令若しくはこの運送約款を守らなかったことにより当社に損害を与えた場合は、当社は、当該運送申込人に対し、その損害の賠償を求めることがあります。
  • 附 則1この運送約款は、2024 年 4月 1 日ご利用分より実施します。